しかし、コーマック・マッカシーの原作は、去年の暮れに、どういう訳か読んでいました。
「ノーカントリー・フォー・オールドメン」(「老人の住む国じゃない」とでも訳すのでしょうか?)最初から読みづらい。
情景描写と会話の区別がなく、おそらく、それも作者の意図なのでしょう、淡々と話が進む。しばらくすると慣れてくるのですが、内容が暗い。(多分映画も、そうだと思います)
しかし、保安官ベルの独り言とか、ベトナム帰還兵モスと家出少女との会話など、ところどころは、示唆に富む話が出て来たり、読み終わる頃には、「ん、なかなか」という本でありました。
はじめて、イーサンとジョエルのコーエン兄弟の映画を観たのは、「赤ちゃん泥棒」でした。小気味のよいテンポで、内容は忘れましたが、主演のホリー・ハンターとニコラス・ケイジが、なにより印象的でした。(のちに、二人共、それぞれ、別の作品で、アカデミーを取りました)
たしかに、初期の作品は、リズムがよく、秀逸なカメラワークで、「おもしろい」ものが多かったのですが、最近は、どうも「おもくらい」「やり切れない」といったものに変って来ている。
それにしても、兄弟のどちらかの奥さんが、主演女優賞を取ったり、賞というものとは縁遠いと思っていたのに、ハリウッドという所は、不思議な世界です。
蛇足ですが、「ノーカントリー」の原作の邦題は、「血と暴力の国」となっています。あまりに、直截的で、そのまますぎる。出版社も、まさか、映画で賞を取るとは思わなかったのでしょう。
そのまま「ノーカントリー」でよかったのかも。
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