「東京大学のアルバート・アイラー」(菊地成孔、大谷能生共著)という本を読みました。
1970年に亡くなったアイラーの名前が懐かしく、手に取ったのですが、とても難解な本で、ジャズ好きの私でも、アルバムのタイトルは分かるのですが、理論、歴史、奏法、となると、自分の浅学を思い知るばかりで、「ムズカシイ」本でした。にもかかわらず、楽しく2冊を読んだのは、ひとえに、この本のタイトルに尽きるのです。
東京大学で菊地さんたちが、1年間やったジャズの講義の内容が本になったものですが、これが、「東京大学のマイルス・デイビス」なら、なんの違和感もないのですが(このタイトルの方が、本は売れたかも知れません)なにしろ、東京大学と、アルバート・アイラーですから、このミスマッチが、とても嬉しい。
東大の教室で、"ゴースト"が聴けるなんで、ワクワクだったでしょう。私も聴きたかった。
60年代のジャス・シーンの改革者であり、サックス奏者。時に求道的、宗教的雰囲気をかもし、異端児とも言われました。
音楽的には、アバンギャルド(前衛)から、宗教音楽、マーチ、リズムアンドブルースと、常に何かを求めながら、時代を駆け抜けて行きました。(生き急いでいたような気がします)
そんな姿に私も憧れ、熱心なファンの一人でした。1970年12月、彼の訃報を新聞で知り、悲しくてやり切れず、その晩、屋台で、コップ酒をのんだのです。それは、生まれてはじめての酒でもありました。
話は突然変るのですが、そのアイラーの名が、今度は、芥川賞を取った川上未映子さんの「乳と卵」の選評の中に出て来たのです。
村上龍さん曰く「まるで、かつてのアルバート・アイラーの演奏を想起させるような、ぎりぎりの所で制御された見事な文体で書かれている」。
個人的には、この本、関西弁のラップのような、変速ではあるが、リズムのある文体だと思うのですが。
いずれにしても、アイラーの名が出てきて、嬉しかったです。
没年34歳、今、生きていたら、どんな演奏をしているのやら。
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